スーパーで迷わないために、チーズの種類・形・定番の食べ方を覚える
私は、実はそれほどチーズが好きではありません。日本にいた頃も、チーズについて詳しく知ろうと思ったことはほとんどありませんでした。ところがアメリカで家族を持って生活していると、そうも言っていられません。妻も子どももチーズが好きです。特に子どもの食事を考えていると、チーズは本当によく登場します。Pizza、Grilled Cheese、Mac & Cheese、Cheeseburger、String Cheese、Bagel with Cream Cheese……。アメリカの子どもが普通に食べるものを見ていると、チーズは特別な食材ではありません。普通の食材です。そして、どこのスーパーへ行ってもCheeseコーナーがあります。Cheddar、American、Mozzarella、Provolone、Swiss、Monterey Jack、Feta、Ricotta、Cottage Cheese、Goat Cheese、Brie……。
アメリカで毎週スーパーへ行って家族の食材を買うなら、「これは何のチーズだろう?」という状態からは卒業したい。日本で毎日料理する人なら、豆腐売り場へ行って木綿豆腐と絹ごし豆腐の違いが分からない、ということはあまりないと思います。アメリカで生活するなら、チーズについてもそれくらいのCommon Senseは持っておきたい。そこで私自身の勉強も兼ねて、
「これは何のチーズ?」
「どんな形で売っている?」
「アメリカ人は普通どうやって食べる?」
「なぜ、その料理にはそのチーズなの?」
を整理してみることにしました。今回は「全部覚えなくてもいい」ではありません。スーパーで日常的に見るチーズなら、全部覚えてしまいましょう。
まず「チーズの形」を覚える
チーズ売り場で最初に理解したいのが、チーズそのものの種類とは別にある形状です。
Block
四角い塊。自分でSlice、Cube、Shredなど好きな形にできます。
Slices
最初から薄く切ってあるもの。American、Swiss、Provolone、Cheddarなどでよく見ます。SandwichやBurgerに便利です。
Shredded
細切り。Mozzarella、Cheddar、Mexican Blendなどでよく見ます。Pizzaなど、広い範囲にチーズをのせて溶かしたい料理に便利。
Cubes
一口サイズ。子どものSnackやLunchにそのまま入れられます。Block Cheeseを家でCubeに切っても同じです。
String Cheese
棒状で個包装。子どものSnackやLunch Boxで非常によく見るタイプです。
Crumbled
細かく崩した状態。FetaやBlue Cheeseなど。
Grated
非常に細かく削った状態。Parmesanが代表的です。
Tub
容器入りの柔らかいチーズ。Ricotta、Cottage Cheese、Cream Cheeseなどがあります。
Log
棒状。Goat Cheeseでよく見る形です。
Wheel / Wedge
丸いWheelのまま、またはそこから三角形に切り出したWedge。Brieや高級な熟成チーズなどで見かけます。
1. American Cheese
CheeseburgerとGrilled Cheese
私がCheeseburgerを作るなら、まずAmerican Cheeseです。黄色または白の四角いSlice。
これを覚える
Cheeseburger → American Cheese
Grilled Cheese → American Cheese
なぜ?
American Cheeseの強みは、何よりきれいに溶けること。熱いBurger Pattyの上にのせると均一に柔らかくなります。Cheddar Burgerなどもありますが、まずClassic American Cheeseburgerを覚えるならAmerican Cheeseです。
買う形:Slices
2. Cheddar
Mac & Cheese
アメリカの基本中の基本。Mild、Medium、Sharp、Extra Sharpと味の強さがあります。
これを覚える
Mac & Cheese → Cheddar
なぜ?
溶かしてもCheddarらしい濃厚な味が残るためです。子ども向けならMildやMediumは使いやすいと思います。
買う形:Block / Shredded
3. Mozzarella
PizzaとTomato & Mozzarella
Mozzarellaには大きく分けて、Pizzaに使いやすいLow-Moisture Mozzarellaと、水分の多いFresh Mozzarellaがあります。この違いは覚えておきたいところ。
Low-Moisture Mozzarella
Pizza → Shredded Mozzarella
よく溶けて伸びるので、Pizzaにはこれ。
Fresh Mozzarella
Tomato + Fresh Mozzarella + Basil → Caprese Salad
Fresh MozzarellaをSliceしてTomatoと交互に並べ、Basil、Olive Oilなどを合わせる定番です。これはFresh Mozzarellaのミルク感と柔らかい食感を、そのまま味わう食べ方。
同じMozzarellaでも、
Pizza → Low-Moisture
Tomato Mozzarella → Fresh
と覚えるとスーパーで迷いません。
買う形:Shredded / Block / Fresh Ball
4. Parmesan / Parmigiano Reggiano
Pasta。そしてレストランで見る「あれ」
Parmesanと聞いたら、まずPasta。
これを覚える
Pasta → Parmesan
硬く熟成したチーズで、塩気と旨味が強いので、大量に溶かすのではなく削って使います。そしてアメリカのItalian Restaurantへ行くと、「Say when.」などと言われながら、Pastaの上にチーズを削ってくれることがあります。自分が「Stop」と言うまで、ガリガリガリガリ……。「あれ、何チーズ?」と思っていました。基本的にはParmesan系の硬いチーズです。お店によってParmesan、Romano、ブレンドなど違いがあります。
さらに、SNSなどで見る巨大なチーズのWheel。その中に熱々のPastaを入れて、店員さんが目の前で混ぜる料理があります。これは一般にCheese Wheel Pastaと呼ばれるスタイルで、Parmigiano ReggianoのWheelが使われることがあります。熱いPastaをWheelの内側で混ぜることで表面のチーズが溶け、Pastaに絡みます。料理でありながら、レストランのPerformanceにもなっているわけです。
買う形:Grated / Shredded / Wedge
5. Provolone
Italian Deli Sandwich
これを覚える
Italian Sandwich → Provolone
SalamiなどのItalian Deli Meatと合わせる定番。ProvoloneはDeliでSlicesとしてよく売られています。もちろん別の料理にも使えますが、まずはこれ。
買う形:Slices
6. Swiss
Ham & Swiss
穴の開いた見た目でも有名なSwiss Cheese。
これを覚える
Ham Sandwich → Swiss Cheese
Hamの塩味とSwissの独特の風味の組み合わせ。Deliで覚えておきたい基本です。
買う形:Slices
7. Monterey Jack
「料理用」だけではなく、そのまま食べてもおいしい
Monterey Jackは日本ではあまり馴染みがありませんが、アメリカでは普通に売っています。白っぽく、味はマイルド。そして、これは特定の料理だけで覚えないほうが私には分かりやすい。実際、子どもがCube Cheeseとしてそのまま食べていることがあります。私も食べてみましたが、これはチーズ単体でも普通においしい。
これを覚える
Monterey Jack → MildなSnack Cheese / Melting Cheese
BlockをCubeに切ってSnackとして食べてもいい。溶けやすいのでQuesadillaなどにも使われますが、「Monterey Jack=Quesadilla」と限定して覚える必要はありません。子ども用なら「マイルドで、そのまま食べても料理に使ってもいいチーズ」と理解するほうが実用的だと思います。
買う形:Block / Shredded / Cubes
8. Feta
Greek Salad
これはシンプルに覚えます。
Greek Salad → Feta
白く、塩気があり、ポロポロ崩れるチーズ。Tomato、Cucumber、Olivesなどと合わせるGreek Saladの定番です。
買う形:Crumbled / Block
9. Ricotta
Lasagna
これも広げません。
Lasagna → Ricotta
白く柔らかいRicottaを、Pasta、Sauceなどの間に入れて層にします。Pizzaに使う場合もあります。
買う形:Tub
10. Cottage Cheese
Fruitと一緒にそのまま食べる
Cottage Cheeseは料理用というより、そのまま食べるものとして理解すると分かりやすい。
定番
Cottage Cheese + Fruit
Pineapple、Peach、Berriesなど。アメリカではBreakfast、Snack、軽いLunchなどで食べられます。日本人から見ると少し変わった食感ですが、Yogurtなどと同じように「冷蔵庫から出してそのまま食べる食品」と考えると分かりやすいです。
買う形:Tub
11. Goat Cheese / Chèvre
Salad
スーパーでは白いLogで売られているものをよく見ます。
これを覚える
Salad → Goat Cheeseを崩して入れる
独特の酸味とクリーミーさがあります。Green Salad、Beets、Walnutsなどを使ったSaladでよく見かけます。「Goat Cheeseは特定のフルーツとしか食べられない」のではなく、Saladに崩して使うチーズと最初に理解すれば十分分かりやすいと思います。
買う形:Log / Crumbled
12. Brie
Crackers
これを覚える
Brie + Crackers
白い皮の中に柔らかいチーズが入っています。切ってCrackerにのせるだけ。料理しなくても、そのまま楽しめるチーズです。
買う形:Wheel / Wedge
13. Blue Cheese / Gorgonzola
Blue Cheese Dressing
味も香りも強いチーズ。アメリカ生活で覚えておきたいのは、Buffalo Wings + Blue Cheese Dressingという組み合わせ。Blue Cheese DressingはSaladにも使われます。
買う形:Crumbled / Wedge
14. Cream Cheese
Bagelを覚える
これは絶対に入れておきたいチーズです。アメリカでは本当によく食べます。
これを覚える
Bagel + Cream Cheese
Bagelを半分に切ってToastし、Cream Cheeseを塗る。非常に普通の朝食です。普通のToastに塗ってもいい。ほかのチーズと違って「Sliceをのせる」のではなく、Spreadするチーズとして覚えると分かりやすいです。スーパーではPlain以外にも、Chiveなど味のついたCream Cheeseも見かけます。
買う形:Block / Tub
ところで、巨大なチーズを溶かしてパンにかける「あれ」は?
もう一つ、YouTubeなどでよく見るチーズがあります。巨大な半円のチーズを置き、切った断面を熱してトロトロにする。そして溶けた表面をナイフで、ドサッ。とパンやPotatoなどにかける料理。あれはRaclette(ラクレット)です。
Racletteはチーズの名前でもあり、そのチーズを溶かして食べる料理の名前でもあります。これはAmerican CheeseやCheddarとはまったく違う世界ですが、Raclette = 半分のWheelを熱して、溶けた表面をScrapeして食べると覚えておけば、次に動画を見たときに「あ、これRacletteだ」と分かります。
子どものために冷蔵庫に入りやすいチーズ
こうして整理してみると、「子ども向けチーズ料理」が少ないというより、同じ基本チーズがいろいろな形で何度も登場するのだと思います。例えば普段のアメリカの子どもの食事なら、
| 食べ物 | チーズ |
|---|---|
| Cheeseburger | American |
| Grilled Cheese | American |
| Mac & Cheese | Cheddar |
| Pizza / Mini Pizza | Mozzarella |
| Quesadilla | Shredded Cheese / Mexican Blend |
| Bagel | Cream Cheese |
| Toast | Cream Cheese |
| Ham Sandwich | Swiss |
| Italian Sandwich | Provolone |
| Cheese Cube | Monterey Jack / Cheddarなど |
| String Cheese | Mozzarella系など |
| Pasta | Parmesan |
| Lasagna | Ricotta + Mozzarellaなど |
これなら、かなり実際の家庭の冷蔵庫に近づきます。子ども向けだからといって、毎回「チーズ料理」を作るわけではありません。
Lunch BoxにString Cheeseを一本入れる。
SnackにCheese Cubeを出す。
朝はBagel + Cream Cheese。
LunchはGrilled Cheese。
Mini PizzaにはMozzarella。
こういう小さな積み重ねで、アメリカの家庭ではチーズをかなり消費するのだと思います。
Whole Foodsのチーズはなぜあんなに高く見える?
アメリカでチーズを勉強し始めると、もう一つ気になることがあります。
値段です。
Walmartなどの普通のDairyコーナーでBlock Cheeseを見るのと、Whole Foods MarketのSpecialty Cheeseコーナーを見るのでは、まるで別の商品カテゴリーのように値段が違うことがあります。でも、これは単純「Whole Foodsだから高い」だけではありません。同じ店内でも、日常用のShredded MozzarellaやCheddarと、長期間熟成した輸入チーズでは商品そのものが違います。
Whole Foods MarketはCheese Departmentを「Specialty Cheese Shop」と位置づけ、世界各地の生産者から仕入れたチーズを扱っています。実際、Parmigiano ReggianoについてはイタリアでWheelを選び、店舗で割って販売することまで紹介しています。現在の商品例を見ても、Whole Foodsの365 Shredded Mozzarellaは16 ozで$5.29なのに対し、24か月熟成のParmigiano Reggianoは$24.99/lbという商品があります。つまり「チーズ」という同じ棚でも、比較しているものがそもそも違う場合があります。
一方、WalmartではGreat Value Monterey Jackが8 oz Shreddedで$1.97、16 oz Blockで$3.58といった価格帯の商品が確認できます。
では、チーズはどこで買う?
私なら、用途によって店を分けるのが一番合理的だと思います。子どもが普段食べるAmerican Cheese、Cheddar、Mozzarella、Monterey Jack、Cream Cheese、String Cheeseなどは、特別なチーズである必要はありません。こういう毎週消費するDaily CheeseはWalmartなどの普通のスーパーで十分。Pizzaに大量にMozzarellaを使うのに、毎回Specialty Cheeseを買う必要はないと思います。
一方、「今日はBrieを食べてみたい」「本物のParmigiano Reggianoを買ってみたい」「知らないヨーロッパのチーズを一つ試してみたい」というときは、Whole Foods MarketのCheese DepartmentのようなSpecialty Cheeseコーナーが面白い。
Whole FoodsにはCheddar、Chèvre、Mozzarella、Blue、Gouda、Swiss、Brie、Parmesan、Feta、Monterey Jack、American、Ricotta、Manchego、Muenster、Provolone、Asiagoなど非常に幅広いカテゴリーがあります。
つまり私なら、普段の子育て用 → Walmartや普段使っているスーパーで買う、チーズそのものを楽しむ・勉強する → Whole FoodsなどのSpecialty Cheeseコーナーと使い分けます。これは価格だけではなく、目的の違いです。
チーズが好きじゃなくても、知っておきたい
私はチーズが特別好きなわけではありません。でも妻や子どもは好きです。だから私が知りたいのは「世界最高のチーズランキング」ではありません。
スーパーでMozzarellaを見て「FreshならTomatoと食べられる。ShreddedならPizzaだな」と判断できること。American Cheeseを見てCheeseburgerが思い浮かぶこと。RicottaならLasagna。Cream CheeseならBagel。ParmesanならPasta。Monterey JackならCubeに切って子どものSnackにもできる。そしてSpecialty Cheeseコーナーで巨大なParmigiano Reggianoを見たら、「ああ、レストランでPastaに削っているのはこの系統か」とつながること。それが私が知りたかったチーズのCommon Senseです。
チーズが好きだから勉強するのではなく、アメリカで家族が普通に食べているものだから、親として知っておく。そう考えると、スーパーの巨大なCheeseコーナーも、以前よりずっと分かりやすく見えてきます。

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